台湾で初めてバイクの後ろに乗ることになった。何処に移動するにも台湾ではバイクは無くてはならないものだ。彼女たちがバイクに乗れることを台湾に来るまで知らなかった。(1回ぐらいは聞いてはいたのだろうが・・・)
写真のメイは大学に来てバイクを新車で購入したそうだ。およそ4万元、日本円で12万円と乗用車やバイクの値段は日本と大差はない。乗用車は日本製や外国製がが圧巻しているが、バイクに至っては台湾製ばかりが目につく。ヤマハ、ホンダに乗っている台湾人はわずかばかりの人たちである。日本にも輸出されているので、今度は買ってみることにしましょうか。
インターンシップで農場体験してくれた国立屏東大学生の三人と、屏東市内を散策することになった。メイとカメのバイクに二人づつ便乗して軽快に走り回った。ここ屏東市は台湾南部に位置し夜間でも22度位と暖かいので、バイクの後ろに乗るのはすこぶる気分が良い。
速度計を見ていると50キロをオーバーしてビュンビュン飛ばす。怖くなって思わず往復ビンタを覚悟しながら彼女のお腹に手を回す。『ぴったりしがみついているのはカップルぐらいですよ!』と言われたが、高校生の時にバイク事故で死ぬ一歩手前までいったことがあるので手は離さなかった。
彼女らの運転と台湾の人々の運転を垣間見ると、日本人では慣れるまで非常に危険な乗り物であることが理解できる。停車している車の間の割り込みや追い越し等は頻繁に行われ、見ていて「うまいもんだな〜、なれているなあ〜」と感心するばかり。バイクの事故で亡くなる方が多いそうだが、この交通事情を見ると納得せざるを得ない。
2日後、交通事故を目の前で目撃すことになるとはこの時点で予想だにしなかった。
2日後の朝、台中市にて朝食前にホテルの付近を散歩する。近くに国立小学校があって、日本で言う緑のおばさんが交差点に立って横断する子供たちを誘導している。
と、次の瞬間、交差点の中央でガシャ〜ンとバイク同士が出会い頭に衝突、写真のナンバーがフェンダーごと我に向かって一直線に飛んできた。このままではぶつかると思い車の陰に逃げ込むが、目の前でその物体が失速して落ちた。危なかった〜と驚いていたところ、衝突した2台のバイクは、接触した程度なので何事もなかったように走り去っていった。
唖然としてナンバーを持っていたところ、緑のおばさんがにこやかに私に任せなさいと言わんばかりに持ち去っていった。