4年前の湖北省省都武漢市(人口約1000万人)でのこと。(写真は本文と関係あるかもしれません)
大河の揚子江を挟んで広がる大都市で中国では重慶、上海、北京、天津に継ぐ人口である。案内役のRさん曰く『ここはスリが多いので注意してください!』と言った。
荷物を運びながら駅の入り口の前に立つ。入り口には銭湯の番頭のように警察官が見張っている。よほどトラブルが多いのでしょう。見渡す限りひとひとの込み合う状態でまるで駅構内が一日中ラッシュアワーのようだ。とにかく財布だけはポケットのなかにがっちりしまいこんで人ごみの中に入ろうとした。
その時バシャーンと何かが落ちた鈍い音がした。目前を歩いていた案内役のRさんがスリにあったのだ。Rさんの財布の中身は色々なカードが何十枚も入っており硬貨も一杯たくさんあったために重たくてスリが落としてしまったようだ。スリは拾うことができず人の流れに消えていった。混んでいるのでかがむことができずRさんの部下の方が何とか拾って無事に大金の入った財布が戻された。
後日、スリについて注意喚起したRさんお金をなくしたと思って今晩は私のおごりで飲んで食べてください。と気まずさそうに言った。
こちらも喜んでごちそうになって良いものか遠慮がちに頂くことになった。